所感Ⅰ
田園

私は怒鳴る。
不条理ないびりの習慣に怒鳴る。
すると季節外れの銀杏の黄色い葉が、
はらはら、はらはらと降り、
私の肩をすり抜けて体内に染み込んできた。
銀杏は尚もはらはら、はらはら。
私はふと上を見た。





私は泣く。
理解されない苦しみに泣く。
四角い窓の外には、
青い空。
雲は流れている。
動。
全ては動く。
そこには正確な規則があるのかもしれない。
私にも規則があるかもしれない。





私は笑う。
飼い犬の死をごみ処理場で燃やして、
私は笑う。
彼女は最後にきばと舌を出して、
精一杯呼吸をして逝ったようだった。
気付く。
私の中、腐りかけていた愛に。
しかし私は笑う。
可愛い可愛いと笑い、
写真に語りかける。
それは久方ぶりに行った、カンバセーション?
夢に出てきた彼女は、笑顔だった。





私は気づく。
私は私でしかないと。
奇跡も起こせず、
怒鳴り、泣き、笑う、ただの人間。
そして私に降ってきた言葉。
「人の為に生きたいな」
なぜそんな言葉が浮かんだかは、分からない。
ただ、恨みの連鎖を断ち切りたいとは思っていた。
人の為、
人とは誰。
まだ不明。
そして意味も感じられない。


しかし、そう思ったとたん、立ちくらみが治ったんだ。
おかげで今日の仕事はえらく楽だった。



世の中は分からん。
だからこんな分からん文字を連ねている。

生きている証拠かしら。

それとも、

死ぬ準備の途中かしら。

どのみち、親より先には逝かないから、
足掻いてみよう。
色々な問い達の答えを見つけに。



自由詩 所感Ⅰ Copyright 田園 2013-03-21 16:15:20
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