モニターの月
未満ちゃん
リモコンの緑のボタン。これすっごい呪詛っぽい色してるなって、思ったから、
ぜんぜん見たくもないテレビのデータ放送にぶつぶつ。
魔法っていうかのろいのことばっていうか文句ばっかり送ってます。ほら、
緑色がかすれちゃうくらい必死で、汗やばいよね? なんて
計算済みですけどねそれねほんとだし。もう。
だってわたしラップ巻くような子達とは一緒にしてほしくないから。
なんて、乾拭きしつづけること何回目、か忘れちゃったけどなアクセスでついに退場、
てかどっちかってと退散っぽいカードをもらってちぇーって、でもまあ。
審判はぜったいだから仕方ないよねって駆け足でじぶんのへやに帰ると、
本気でわたしのことだけを応援していたパソコンは、
なんかもう、せかいのおわりみたいにまっくらな顔してて。
だからいまわたし、目の前のあなたに、
『こたえられなくてごみんね』なんて。
わざわざな感じのメールを送信してそのままひとり、ぎゅっとしてる
ねえお互いまんざらでもないよね、身体中パキパキ言っちゃってるし
でも、もっと他にできることとかないのかなって思いながら反面
いま誰か見られちゃったらちょっとやだな、絵的におわってるし。
もしかしてそういう性癖なの?って聞かれたとき
0.5秒で「あいしてる」なんて、なかなか口にできないでしょ?
だってほら相手がクエスチョンマークいくつも浮かべてたら、もう
それ鈍器中の鈍器じゃんね。
なんて考えながらだまって、ながいこと、あなたの静電気を受け入れていた
これ前髪がはりつくのがちょっといやかも。
なんて、小声で文句送りながらうつ伏せで沈む顔に
うすまった青い光があたってる。わたしもうきっと寝てるのに、ずっと、