こんざい
りこ

2月をたゆませて泳いだ
3月には疲れ切って本当の魚のようになった
あやふやな優劣の判定を何度か食らって
何度かはがれ落ちたうろこから
弱い部分を見せた
よわい人が
尾びれとか背びれとかを動かしながら
立ちすくんでいる


とうめいな声と、
とうめいな涙で
構成されている
ということにしているんです
女子高生という名前は可愛らしいものでした


スカートたちの集団生活を終え、
わたしたちは解放へ進もうとする
前も後ろも見えなくとも
そうしなければならない


わたしは、
わたしの、とうめいではない涙を見て
そのうちまた、涙を流すので
そのうちきっと
思い出したいひとが溢れてくる


さようならは告げないけれどいなくなりたい
なんてわがままを言う間もなく
あなたという人は色あせて
過去という名前に変わる


自由詩 こんざい Copyright りこ 2013-03-21 00:17:32
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