グレースケール
ドクダミ五十号
一部分を見る時
0あるいは1
○または✕
白そして黒
拡張すれば
悪と善
生と死
是と否
対で意味を成す
無とは違う
空でも無い
さあその対極を
連ねるのだ
一部分のヌルとアインスは
何も産まないかもしれない
羅列によって浮かび上がる
その時にヌルはアインスは
複雑な無肯定と無否定かも
一組を注視するのは悦楽だ
羅列を追うのは苦痛に近い
恐れを抱いて離れる背後に
実は生み出された形容なる
どうにも表現を超えた形状
タペストリーが見えるのだ
それでも所詮は
是と否に尽きる と
貴方はどちらか に
世界のあらゆる を
焦点を合わさずに
一輪の花を眺めて
是も否も共に捨て
穏やかな喜びと
穏やかな甘みと
鮮烈な悲しみと
鮮烈な苦み
それが無限の遠方に
緩やかに溶けて混ざるを
幼児の様に楽しむのだ
痴呆とはそういった者で
愛すべきなのだろう
何故かならば
自分に良く似ているから