初夜
たもつ

 
曖昧な更衣室で
僕らはすべてのものを
等号で結びあわせた
軟らかい材質でできた身体は
嘘をつくことが
何よりも得意だったから

花粉の積もった改札を抜けると
溢れだす人という人
紙という紙
忙しくて悲しいものは
とっくにパパとママが
壊しておいてくれたよ

とろけるような午後の仮庁舎
確定の申告をして帰る
はじめまして
川沿いのソメイヨシノは
少しずつ咲き始めた
これからずっと
いっしょにいようね



自由詩 初夜 Copyright たもつ 2013-03-19 19:58:04
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