致死節
瑠依
わたしは恥を恥と知りながら生きてきたのです
そうやってずうっと生きてきたのです
指をさしてはなりません
その背中は誰の背中
きっとわたしの背中でしょう
指先に愛しさを
老いて紡ぐは致死節を
どうか一度で覚えてくださいますよう
いつか最大級の慈悲をもって囁いてください
眠れない夜は眠らなくともよいのです
きっとそういうものなのです
いつかぴくりとも動かなくなる日が来るのです
ならば今はよいでしょう
すれ違うは有象無象
わたしは顔なしのっぺらぼう
どうかお気になさらずに
どうしても気になるとおっしゃるならば
あなたの筆で描いてください
失敗してもかまいませんので
どうか自由にお願いします
冷たい指はどんな顔を描いているのでしょう
愛しさに充ち溢れたあなたはどんな顔をしているのでしょう
はやく目をくださいな
はやく耳をくださいな
わたしの顔をみてみたいのです
あなたの声をきいてみたいのです
致死節は「 」