致死節
瑠依

わたしは恥を恥と知りながら生きてきたのです
そうやってずうっと生きてきたのです
指をさしてはなりません
その背中は誰の背中

きっとわたしの背中でしょう

指先に愛しさを
老いて紡ぐは致死節を
どうか一度で覚えてくださいますよう
いつか最大級の慈悲をもって囁いてください

眠れない夜は眠らなくともよいのです
きっとそういうものなのです
いつかぴくりとも動かなくなる日が来るのです
ならば今はよいでしょう

すれ違うは有象無象
わたしは顔なしのっぺらぼう
どうかお気になさらずに
どうしても気になるとおっしゃるならば

あなたの筆で描いてください
失敗してもかまいませんので
どうか自由にお願いします

冷たい指はどんな顔を描いているのでしょう
愛しさに充ち溢れたあなたはどんな顔をしているのでしょう
はやく目をくださいな
はやく耳をくださいな
わたしの顔をみてみたいのです
あなたの声をきいてみたいのです

致死節は「                 」


自由詩 致死節 Copyright 瑠依 2013-03-19 16:36:15
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