六根
シホ.N



目蓋は開かず
絶たれる
眼光

静寂の重さに
つぶされる


過剰な匂い
混乱する
鼻孔

とろける毒が
浸潤する


痛み痒み
おおわれる
触感

世界の歪みに
怯える
精神



生きてしかも
健やかなることは
奇跡

損じてはじめて
心身のありようを
意識する

そして
その意識さえ
心身に由来して



ままならない
存在そのもの
生き受ける



自由詩 六根 Copyright シホ.N 2013-03-18 17:16:06
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