地球外せかい
未満ちゃん
「宇宙人を噛んだら歯がぬけたの」
あなたがこんなはなしについて、ひゃくまんかい租借したあと
つまんない意味をやさしく添えてくれたけれど、おっきなお世話だった。
だっただったと駆けていったからまだマシなほーかもしれない
どうでもいいじゃんな。わたしのせーかいはどこだってひろいのに
近所のコンビニ付近までしか歩きもしないあなた、ぜったいスナフキンにはなれないね
なのにどうせまた気の飛ぶほど優しい目をして遠い国の方向から、すり抜けるように
あたまを撫でて、慰めてくれるん、だよね、よね、
そうでしょ? ほんとうは目も見えやしない距離なのに、抱くんでしょ? 2回連続で、
あなたのせーかいの上に立たされて、わたしと、わたしのはなし、なんども、なんども
「宇宙人を踏んだから死んだんだよ」
それ、どっちがだよ、どっちがだって聞いてんの、だれが? わたし、
今月何度目かの愛想を、毎日遊び歩いてばっかいる足が捨ててったヒールに擦り付けて
みんなしんじゃえってそれっぽくぺたんこ座った、玄関、
当たり前みたくどこにも行かないで、
『下駄箱』って響きがノスタルジックだったからとりあえず泣いてみた。
でも、たった10分くらいで、佐川男子にでも抱かれちゃえばいいんだって思えたから、
じゃあお化粧するかなって戻ると、もうそれだけでわたし、
涙なんて流れやしないじゃん、だって嘘だからね。嘘ですってうそうそ、
ほんと、
嘘なんです