二人、または
ゼンメツ

それは、
大まかに表したのなら踏切
もしくは縁が擦り切れた、
クラウドの束
私はなかなか爪を切れない性分で、
街には、
ローディング時間がない
そんな夢すら見ないのは
昆虫、
路地、または結晶体
線路には、
確実に続く先があって
それを知らずに道に迷うのが子供
帯と栞を捨てないのが大人
二度と使わないのも、

そう、あなたは散漫なくちびるで、
耳のない空へはなし続け
時計をちらちらと遅らせた
秒針だけは、お互い様かもしれない
つまるところ息溜まり
しなりきった弦の最果て
弾けてしまうのは
太りすぎた言葉、
種子、または瞬間
そんな曲ばかり流すのは
大きめの世界で
麻痺した舌に甘いものをのせながら、
他人事が溶けていくさまを、
レンタルして観ていた

あれは、
かわるがわる窓の外
透明とあらわすには、
あまりにも矛盾していて
うつり込んだ顔と、
不安な高さの積雲へ
いちばん好きな花を毟って投げたのに
ほんの目の前に落ちて
瞼のフレームを絞る
現在、ひとつに集まるものは、
ただ側面をつたう水滴、
電車、そして
私たちは、
いつまでも遠かった


自由詩 二人、または Copyright ゼンメツ 2013-03-16 03:55:56
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