【 美しき“春”よ 】
泡沫恋歌

ふぅ〜

誰かのため息が
うなじをくすぐる
振り返ったら

黄色くなった“春”が立っていた

眼は真っ赤に泣きはらし
皮が捲れて鼻水が垂れている

あぁ〜

私はポケットから
ハンカチの代わりに
白いものを“春”に渡す

マスクを手に“春”が微笑んだ

そよ風がふわりと舞った
その瞬間 鼻がムズムズして……

ハックショーン!

はぁ〜

美しき“春”よ
おまえは花粉の季節だった 


                             2013/03/15


自由詩 【 美しき“春”よ 】 Copyright 泡沫恋歌 2013-03-15 07:54:33
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愚詩 = 愚痴