回転日常
唐草フウ





涙だけをためた洗濯機に
渇ききってしなびれた心をつけ込んで何回もまわした
でも脱水するとまた、しわしわになり・・・
風にさらせば、パリッパリにまた乾く




じゃ口をひねると出てくるのは涙
必要な時には出して、くちのすみずみをゆすぐ
余計なことばかり言うこのくちの中を





寝息を立てるたびにぬいぐるみは夜 カウントする
そしてその数だけ、昼間に夢を見る





鏡を見るとそこが点になり、割れてゆく
視線は銃と化し 見つめただけ複雑になり、やがて見えなくなってしまった




ねじのきれそうな背中に気づいても
知らぬ存ぜぬ顔で渡ってゆく人の腕
ぎ、と掴んだらそれは羽根と骨だった












自由詩 回転日常 Copyright 唐草フウ 2013-03-15 05:47:47
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