就労支援所にて
IMAGAMIMAGAMI


鍵を持たない動物の
手となり足となり
この檻を去る為の
手となり足となる
食いちぎられるのが怖くて
そこに温度は込められない

鍵を持たない動物の
鍵にはなれない
全てを与える事でさえも
鍵にはなれない
肉となる その果てでさえ
救いにはまだ程遠いだろう

憂いはない
ただ
そう言い聞かす

人に至るまでの過程の
夜と朝の色をしている
鍵を見つけ出せ 獣の瞳
痛々しいほどに鋭利に
その牙は抜かなくていい
鍵を噛み砕かなければ
その咆哮は最後にとって置け
檻の軋みに泣いてはいけない

誰が決めたかヒトという命に
あてがって息をする
鍵の隅々は涙で濡れていた
その全霊に敬意を表する

せめて
手となり足となり



檻を開け放つ





少し歩いたら

握手をしようか



自由詩 就労支援所にて Copyright IMAGAMIMAGAMI 2013-03-14 21:48:44
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