「ん」まで踏んばった「人」へ
阿ト理恵
それはあなたの不在より
戻ってくる沈黙が
のしかかるあいだ
かくも連ねて
欲望のあいうえおの全貌から
「ん」でふんばってる「人」よ
みえる領域に
何云うつもりないなんて
何云うつもりばかりなんだから
つもらないうちに吐き出しちゃっていいよ
口は道具に過ぎないなんてことはないのだから
「あ」からはじまるアヒル口を待っています
自由詩
「ん」まで踏んばった「人」へ
Copyright
阿ト理恵
2013-03-11 23:44:11