牛馬の様に
ドクダミ五十号

それは農業にとって
大切であった
私のルーツは豪農の家の
三男坊の遺伝子だった
たったの数日
厩と付随する部屋をみて
直ぐに叔父である家長が
逃げた原因が悔しかった
貪欲なまでの欲望が
家を潰すのに
数年しかかからなかった
効率の魔物は叔父の精神を乗っ取った
広い家屋敷には最初は成功した鶏舎が
後に失敗の原因である豚舎が
今でもその生垣に閉ざされた
「本家」にある
失敗の故に取り上げられた「田んぼ」に
囲まれている
「田畑失って」
農家は続けられない
農業は知恵なのだ
苗代一つを取っても
あるいは麦の畝の間に
大豆を育てる様に
知恵を捨てて
経済的な利益に走った
叔父を呪う
全く厩は冷たく沈黙していた
そこに忠実な友としての
「おうまさん」は居なかったし
隣の部屋に馬を扱う人間も居なかった
父もその兄も長男も
私より学問に優れ
優秀であったにも関わらず
稲がその自立を果たす為に
多くのケイ素が必要であった
それは刈り取った茎から
容易に知れる
あのシャッキリした茎に
指を痛め付けられる事で
農業の衰退と
食料危機
かつてのソ連の崩壊は
産業を支える人々の
生産力と食料受給のバランスにある
だからと言って
USAの真似はするべきでは無い
日本は稲の国
世界的にもトップクラスの知恵がある


それが教えてくれた知恵を
捨てるべからずなのだ


自由詩 牛馬の様に Copyright ドクダミ五十号 2013-03-08 23:19:27
notebook Home 戻る