偶然の可愛さ
よしたか



電柱の根元にひそやかに咲くタンポポ
青い花びらをもった小さな野草が囲って
これは偶然の可愛さだねって
足取り軽く僕はマンションの鉄柵に指を滑らせた

しかめっ面の若いOLと何ともなくすれ違い
誰かの強い香水が通りをいじめる午前8時頃
豊かな無力を力強く浮き彫りにした詩を想い
永久の謎に新しい踊りを巡らせる

君の哀しみに似合う希望を

胞子を飛ばすタンポポを
青い花びらをつけた小さな野草が囲っている




自由詩 偶然の可愛さ Copyright よしたか 2013-03-07 21:08:52
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