かなしい海
Lucy

私がかなしいのは
海が波立つからではない


海が波立っているのは
私がかなしいからではない


あまりに遠いところから注ぐ
あまりにも薄い光を反射して


波がしらのひとつひとつが
水しぶきの一粒までもが
かなしい色に
ひかるのだ


春の気配にうなだれ
滲む
雲に覆われた空の下で


自由詩 かなしい海 Copyright Lucy 2013-03-07 13:37:56
notebook Home