夜の箱階段
そらの珊瑚

夜に積み上げられた箱階段が
複製を繰り返す(発芽)
その上を
じゃばらの形に折れ曲がりながら
わたしの影が長く伸びつつ登っていく
星々が裏声でささやきあっている(給水)

そうやって
いくつもの分身たちを
猫目月まで送り届けた

朝の鍵が差し込まれると
線と角度を光が食べていく
ジャンクフードの気軽さで(分解)

影はつまさきへと吸い込まれていき
箱階段に花が咲き(結実)
サイコロという正方形の種になる
それらは大きな手によって
いたづらに転がされ
やみくもに人は踊らされる
はじまりとおわりは
いつだって
オートマティックな
宇宙のふりこのなかに仕舞われている



自由詩 夜の箱階段 Copyright そらの珊瑚 2013-03-07 09:12:42
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