蒼い影
灰泥軽茶

静かな和音がこだまして

鼓膜をかすかに震わす

しかし携帯の履歴はなし

空耳のようだったかなあと

ふと

うしろをふりかえり空を見上げると

やっぱりどこかから

静かな和音がこだまする

懐かしい匂いもする

リノウムの廊下を走る音がして

ぼくも早く行かなくちゃと

町にぽっかりと空いた

光と影が混じって浮かび上がる

蒼い影のある場所へ

空を見上げながら追いかける





自由詩 蒼い影 Copyright 灰泥軽茶 2013-03-06 22:47:00
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