ゴム人形
灰泥軽茶

夜目覚める

誰かが眠っている

それは誰なのだろうかと

瞳の奥でじっと眺めていると

皮膚が私の皮膚が空気の重さを感じ

それは私なのだなと気づく

目を開けて腕をさすると

妙に柔らかく

ふぅうふぅうと

息を吐き出していくと

私は少しずつしぼんでいく

吐き出された

部屋中に漂う意識の中で

お菓子のおまけのようなゴム人形が

ペロンと笑って眠っている












自由詩 ゴム人形 Copyright 灰泥軽茶 2013-03-04 23:05:35
notebook Home