風のなかのソネット2013
梅昆布茶

いつかみた風景のなかに僕たちがいた
求刑されることをまっていた

無期懲役かおなじぐらいの罪障が押しつぶそうとするが
僕は罪のために生きようと思った

生きること自体はもう辛くはなくなったがちょっといいよねとも
思えるようになった

それでいいと思う

僕たちの車椅子には羽根が生えてるんだって最近思うんだ

だからちょっとだけの余裕をもらって詩なんぞ描いているのだが

僕がたぶん2年ぐらい前に描いたソネットを
また読もうとおもったんだ

やはりぼくは変化している
でも意味の無い変化ではないとおもっている
それだけが生きるよすがなのかもしれない

どれが本編なのかようわからんが
まあいいさ

ぼくは詩をそいうふうに理解しているのだから

このあとは旧作
でもなつかしいな

君の瞳に映る空を雲が通り過ぎる

風の旋律が緩やかに流れはじめる
硝子細工の脆いバランスでバレリーナのようにポーズをとって
鳳仙花がはじけるように笑う

そんな君を飽きずに眺めている僕は
そうとう暇人だよね

気持ちの良い夕べには公園の小径を散歩して
涼しげな噴水のそばでやすまないか

遠い街のざわめきさえも素敵な音楽に
聞こえそうだもの

ひとつひとつの大切な時間をガラス玉に封じ込めて
空色の瓶いっぱいにしたら

ちょっと幸せな気分になれるかもしれない


自由詩 風のなかのソネット2013 Copyright 梅昆布茶 2013-02-26 22:19:41
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