向こう見ずなあなた
千波 一也


あなたが
西日にうずめたものを
知るすべもなく
いまは昔


あなたが
見ていた向こうには
なんにも無いと思ってた

なんにも無いと
思いたかった


向こう見ずなあなたを
望んだわたし

きっと
それが見えていた
あなた



向こう見ずなあなたへと
落ちずにすんだわたしは
日暮れに凪いでいる



あなたが
夕日に託したものを
知るすべもなく
いまは昔

不意に
口ずさむ
なつかしい歌のように

すっかり軽い
荷のように





自由詩 向こう見ずなあなた Copyright 千波 一也 2013-02-26 18:47:44
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