ペンは、剣よりも…
まーつん

 胸ポケットに挿した Myボールペンをとって
 くるくると 青空に放ってみた

 跳ね返す春の光で ウインクを繰り返しながら
 手元に帰ってきたときは 一本のナイフに代わっていた

 迎え入れる 俺の右手をつらぬいて
 午後のアスファルトに 鮮血のインクを垂らす

 俺は鳩尾あたりに 痛みに跳ね回ろうとする
 傷ついた掌を押さえつけて 長閑のどかな散歩を 楽しみ続ける


゛ペンは 剣よりも強し゛
 おてんとうさま ホントだね 


 人を殺すことさえ できるんだ
 俺は 自分の吐いた言葉で 死んじまいそうだよ

 その毒にあたって 傷口の周りから
 静脈が黒く染まり始める

 心の臓に向かって 走り続ける
 病んだ心の血を映して





自由詩 ペンは、剣よりも… Copyright まーつん 2013-02-25 18:52:40
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