半島
nonya
何処よりも早く
咲く花を見たくて
何処よりも早く
鳴く鳥を見たくて
僕ののどちんこは
大陸から張り出して
しょっぱい声で
波を歌い続けている
賑やかな言葉は
トンネルの闇を直進して
僕を揺さぶる前に
遠ざかってしまうから
僕ののどちんこは
照り返しに顔をしかめて
地球の丸みを滑っていく
貨物船を見送っている
誰よりも早く
旅立つ季節に
気づいてしまうから
誰よりも早く
その人の哀しみに
気づいてしまうから
僕ののどちんこは
大陸からはみ出して
しょっぱい声で
風を歌い続けている