半島
nonya


何処よりも早く
咲く花を見たくて
何処よりも早く
鳴く鳥を見たくて

僕ののどちんこは
大陸から張り出して
しょっぱい声で
波を歌い続けている

賑やかな言葉は
トンネルの闇を直進して
僕を揺さぶる前に
遠ざかってしまうから

僕ののどちんこは
照り返しに顔をしかめて
地球の丸みを滑っていく
貨物船を見送っている

誰よりも早く
旅立つ季節に
気づいてしまうから

誰よりも早く
その人の哀しみに
気づいてしまうから

僕ののどちんこは
大陸からはみ出して
しょっぱい声で
風を歌い続けている





自由詩 半島 Copyright nonya 2013-02-24 16:57:04
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