次元の詩
梅昆布茶

0次元

面積を持たない点は哀しくて
あられのようにパラパラと降りそそぐだろう
なんのうえに

1次元

線虫となった哀しみはのたうちまわって
それでも面積を持てない

2次元

厚みのない平板な草原に
哀しみの馬がかけまわる
名前の無い馬

3次元

凍結した立体のなかで

恋をしていた
今しかなかった僕のように


4次元

やっとセピア色の想い出が
動き始める

雲が流れて風をよぶ
微かに音楽も流れている

君が踊り始める
時間の舞いといううやつかもしれない

そこに数理学者が忍び寄ってささやく
それはミンコフキー理論だけの
有効性しか持たないんだねって

でも僕たちは
踊りを止めない

その先の次元に充分なだけの想像力を信じていたから

僕たちはどの次元でも自分の意味にもとづいて
相対性理論を軽がると

超えてしまうのかもしれないんだ

ただし想像力は科学の敵ではないと

はっきり言っておかないとね

だって次元大介はルパンの相棒なんだぜ










自由詩 次元の詩 Copyright 梅昆布茶 2013-02-23 16:59:41
notebook Home