次元の詩
梅昆布茶
0次元
面積を持たない点は哀しくて
あられのようにパラパラと降りそそぐだろう
なんのうえに
1次元
線虫となった哀しみはのたうちまわって
それでも面積を持てない
2次元
厚みのない平板な草原に
哀しみの馬がかけまわる
名前の無い馬
3次元
凍結した立体のなかで
恋をしていた
今しかなかった僕のように
4次元
やっとセピア色の想い出が
動き始める
雲が流れて風をよぶ
微かに音楽も流れている
君が踊り始める
時間の舞いといううやつかもしれない
そこに数理学者が忍び寄ってささやく
それはミンコフキー理論だけの
有効性しか持たないんだねって
でも僕たちは
踊りを止めない
その先の次元に充分なだけの想像力を信じていたから
僕たちはどの次元でも自分の意味にもとづいて
相対性理論を軽がると
超えてしまうのかもしれないんだ
ただし想像力は科学の敵ではないと
はっきり言っておかないとね
だって次元大介はルパンの相棒なんだぜ