ねぇおじさん。

どうして人は孤独になるの？



それは、孤独を感じるほどの、

ぬくもりを知ってしまったからさ。



どうして人に孤独があるの？



それは、きっと孤独な誰かと、

同じように孤独な誰かを巡り合わせる為さ。



人が孤独にならなかったら、

人は永遠に独りのままだろう？

神様が、それではいけないと

人に孤独を知る心を、お与えになったのさ。



孤独が好きだって人もいるよ。

それは何故？



孤独を本当に愛する人は、

孤独の意味をかみしめてるのさ。

孤独ゆえにわかることもあるのだから。

それまで気がつかなかった誰かの優しさや

知らない振りして見ようとしてこなかったものが

色々と見えてくるのさ。



ただ独りがいいと、１人になりたがるのは

孤独とは言わない。

それはただの“１人の気楽”だ。



ふうん。

じゃあ、おじさんは孤独？



あぁ、もちろん孤独だよ。



どうして？今、１人じゃないのに？

僕がこうしてここにいるじゃない。

それでも孤独なの？



そうだなぁ。キミとこうしてお話しているのは

とても楽しいことだよ。

でもね、孤独というものは、誰かと一緒にいるから

孤独じゃないということじゃないんだよ。

孤独は、１人じゃなくても

たくさんの人に囲まれていても

時には、感じることもあるんだよ。



ふうん。

孤独って、ちょっと面倒くさいんだね。



そうかもしれないね(笑)。

人というものは、元来面倒くさいものなのかもしれないね。

でもその面倒くさいことが幸せの本質なのかもしれないよ？



よくわかんないよ！

で、結局おじさんは孤独でいいの？



勿論さ。

孤独を感じれることに感謝しているよ。

孤独を感じることが出来るほどに

いままでに沢山、幸せをもらってきたってことだからね。



幸せをいっぱいもらったんだ？

じゃあ、今も幸せなの？



あぁ、幸せだよ。

幸せってのは、金貨みたいなもんさ。

とても貴重なもので価値のあるもので

そして誰もが欲しがるものさ。

その金貨には裏と表があってね、

孤独ってのは、幸せの金貨の裏側みたいなもんなのさ。



つまりは孤独を知っていればいるほどに

幸せもそれだけ知っているってことなんだ。