めんどうな人たち
カマキリ

大きなサイロの下に身を潜めて
電柱に止まるカラスそっくりの雲を撃ち落とし続ける
大胆な予想はいつもはずれて
てきとうな優しさに骨が溶けそうだ

もしもロボットになれたら
光とか匂いに包まれて生きていたい
朝、焼き過ぎたパンを一抹の思い出とともに飲み込んで
感情を一筆書きであらわしたい

裏の家から叫び声が聞こえる
指揮者のように手を振って
雨の巣を不織布テープでぐるぐるまいて
とっておきの箱をあけている
たぶん中身はめんどうな人たち


自由詩 めんどうな人たち Copyright カマキリ 2013-02-21 22:39:13
notebook Home