紙飛行機
灰泥軽茶

久しぶりに紙飛行機を作ってみて

狭い部屋の中を飛ばして見た

ひょいっと

指先から放たれた私は

少しの間だけ時を止めて

音を吸い込み色を無くし

透き通った羽を生やして空間を漂い

壁にこつんとあたり

呼吸をはじめ

体中から音を弾き色を生やし

再生していく

床に墜落した紙飛行機を手にとろうとすると

うすいチラシで作られた羽を

ふわりふわりと頼りなく動かし

つかまえようと手を伸ばすと

気流に乗ったかのような動きをして

壁の中に消えていった






自由詩 紙飛行機 Copyright 灰泥軽茶 2013-02-20 01:01:35
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