外傷的処女神話
樹圭介
少女の氷結を希望する
その美しさは何ものにも替え難い
感じない
そんなものとっくに忘れてしまったの
感じない
そんなものとっくに忘れてしまったの
天候
午後からは快晴
垣間見える灯台は
冬のように点滅している
円い廃墟を照らす太陽の
その重さに耐えられないの
逃れるように
西北西に
飛び去った小鳥の
姿が遠ざかる
そして今日も私は
意識を恨んでいる
ああ、あたしの可愛い娘は
彼方の楽園に辿りついたろうか?
幸福に過ごしているだろうか?
主に祈らない日は一度もない
自由詩
外傷的処女神話
Copyright
樹圭介
2013-02-18 19:42:16