tiny boy 笑っておくれよ
どうせ石ころ同然の人生さ
１ペニーの価値もない

tiny girl　笑っておくれよ
どうせごみ同然の人生さ
1ペニーの価値もない

イーストエンドで育ったさ
生まれたときには親はなし
日々の食いもん手に入れる
それだけ考えて生きてきた

街角には花売りの声
屋台にはほかほかのじゃがいも
それすらめったに手が出せなかったよ
かゆ一杯がせいいっぱい


tiny boy　あとはお定まり
仕事をしては　酒を飲み
酒を飲んでは　仕事をし

tiny girl　あとはお定まり
仕事をしては　寝転んで
寝転んでは　仕事をし

あっという間に歳を取り
こんな男になっちまった
女房はなし　子どももなし
家もなけりゃ　財産もない
ないないずくしの人生だ


tiny boy　笑っておくれよ
どうせ石ころ同然の人生さ
1ペニーの価値もない

tiny girl　笑っておくれよ
どうせごみ同然の人生さ
1ペニーの価値もない

おい気をつけろ
お前たちもいつかそうなるぜ

（いつだったか　おれがガキだった頃
　おんなじこと言っていたじーさんがいたなぁ
　けど聞く耳持たなかった
　持つ余裕もなかったが）

お前らもそうかね
いや待て　時代は変わる
それにまだお前らは若い

（ああそういやあのじいさんもそんなこと言ってたな
　あのとき性根を入れ替えりゃ
　おれにも何か残せたのかね）


tiny boy　お迎えの時間だ
天使様が見える
ラッパの音も聞こえるぜ

tiny girl　お迎えの時間だ
こんなおれにも天国の
門は開かれているようだ

さぁもう行っちまいな
通りすがりに出会ったじいさんのことなんか
いつまでも気にしてるんじゃないよ
おれは酒飲んで良い気持ちだ
寒さなんて感じやしないよ


tiny boy tiny girl
泣いてくれるのか
たまたま通りかかっただけなのに……

ありがとうよ
お前らはもっとマシな人生送れるといいな
それだけ祈って
おれは逝くよ……


tiny boy 笑っておくれよ

tiny girl　笑っておくれよ