放物線
千波 一也



ひょい、と
放り投げた缶コーヒー

疲れた顔した
おまえはつかの間
あわてた顔になる

あわてた顔で
キャッチして

細く、
わらう



おまえの横に
しゃがみこむのも
いいけれど

言葉を探して
言葉を選んで

たそがれるのも
いいけれど

そこに
おまえは
見えないからね

わたしの、
わたしのためだけ、の
取りつくろいしか
見えないからね



放り投げる物は
何だっていい

ほどよい距離で
放れる物ならば

おまえに向かう
たやすい線が描けるのなら
何だっていい







自由詩 放物線 Copyright 千波 一也 2013-02-17 19:28:21
notebook Home 戻る