車輪の下
月形半分子

真夜中に手淫のごとく懺悔せし

非常口に蓋をして


洗面台で ひかる剃刀

水滴の落ちる静けさと

窓を見ている闇と少年


ひっそりと手淫のごとく懺悔せし

悲しい線路は私です


あの日の汽車が走る

鉄橋の轟音の下

ハンス少年よ

いまだ 泣け






自由詩 車輪の下 Copyright 月形半分子 2013-02-17 13:13:52
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