或いはぬるい祝福を送るくらいしかできない
一尾
ピアノでショパン弾いていたおねーさんがわって立ち上がったあと防音壁にへばりついて穴だらけの壁肌を撫ぜながら急に使命感に打たれたようにあー埋めなきゃ埋めなきゃこれ埋めなきゃーって言い出したとき
おねーさんの身体とかこころにあいてる穴を間接的に見た気になって
音楽室の防音壁に無限に打たれているぽつぽつした穴をふさごうと必死に十本の指で押さえたり払ったりしてるさまに対して
「それ埋めらんないでしょ」
ってなんか上手く言い出せなかった
自由詩
或いはぬるい祝福を送るくらいしかできない
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一尾
2013-02-15 03:33:18
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