REDMEDICINE
本木はじめ

寝転んで椿に話しかけるとき午後の紅茶もすでに冷たし


海のない地表の上を航海す既に明日も干乾びている


夕映えの冬の湖凍りつく阿修羅のごとく人生は鬼


バランスをなくしたきみは美しき白痴のようにレモンを齧る


黒猫の瞳に映る可燃物 約束されたぼくらの火葬


革命を起こしたつもり雪の跡 不滅の美とは何か教えて


廃船のなかで目覚める十二月 殻を破らば生まれぬ小鳥


曇天の落下している廃墟にて動かすものは何もなくなる


禁欲の約束破り噛み砕くレッドメディシン さらば惑星


短歌 REDMEDICINE Copyright 本木はじめ 2004-12-23 18:24:47
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