これからはあの子を探し続けるよ見つからなければ独りで死ぬさ
木屋 亞万
朝が来た起こそうとする君の手が震える今日も僕は死んでる
大量の雨脚が降る足音が強くなったり踊り出したり
ぼんやりとした水色の空の壁まん中にいつも僕がいること
リンリンと胸が高鳴るクリスマス鈴から垂れるつららキラキラ
偶然の片隅にまた君がいることもあるかも駅を歩けば
チェーンソーひとり一台借りて来てイブイブにツリー切って回ろう?
恋になど落ちることなく生きてきた恋の底だけ歩いてきたの
骨を煮る頭も尾も煮る肉も煮る土で固めた鍋でぐらぐら
心臓に芽吹いて茎が肋骨をすり抜け花は何色になる?
踏み出した右足が地につかぬまま倒れて仰ぎ見る青い空
点滅が連なるだけでてんてんと光が動くただの錯覚
近頃は便座に座るたび足が痺れるようになってきました
ラーメンの中でも豚骨ラーメンで腹壊すけど尻染みるけど
テフロンが剥がれて恋がこびりつくどいつもこいつも焼いてばかりだ
ケレン味に満ちた手料理ゴミ箱にたまるパウチの細い切れ端
雲に住む人が掃除をするたびに落ちるホコリが雪になります
夜をただ引き延ばす人いち早く朝を始める人と乗り合う
タピオカがもちもちしてるストローをつるつる抜けてむちむちしてる
豆電球灯る屋根裏流星は眠る私を避けてさよなら
隙間なく生きてきたのに人生は空白だらけの顔をしている
香水をつけて微笑む人がみな売り物になる金曜の夜
ああぁー…」と叫ぶの過去がもっと良く生きれただろうと「あぁー…(サイレン
「肉だけを食べて死ねたら良いのにね」…にく…け…べっ……て…し、死ね…いいのに…
サイコ…ロス…テキ…コロス…テキ…ステキ…テキコロスサイ…キス…コロステキテキ
眼にて云ふやさしさに触れ聞くかおりかぐわしい君眼で舐め回す
曇天を突き抜けた先にある青に気づかないまま丸めた背中
技が身につけばつくほど無意識に心は身から離れてしまう
照明の間接的に照らす夜お昼にはないこわくない闇
溢れれば物が私を埋め尽くす砂漠になった心の土壌
真っ暗な画面じーっと鳴るテレビたぶん僕らはゲームオーバー
片恋の想い出せない秋の空思い出せない女の心
どうしても越えられぬ壁吹き荒れる風から僕を守る日もある
金色にかがやく水を飲む君の喉元光る透き通る肌
排ガスに融かされた雪の黒ずみのような初恋話を聞いて
血管の毛細模様の枝ぶりのかさぶた全部剥けたみたいね
ええぶいをみるときとくにあしおとにびんかんになるじゅうごのこころ
一等の星から爪で削る夜青い下地が見えてくるまで
恋人の街に溢るる年末になおあまりある我が身なりけり
ぱみゅぱみゅを丸呑みしちゃう勢いで巳年が口を開けて待ってる
来年はおなごの側でかわいいとのたまうだけの生き物になる