陽のあたる街の水族館で
中川達矢

自称「警視庁が見守る安全・安心な街」で
「自転車から降りて通行しよう。」の上にある
「公衆便所」の貼紙をやりすごしたら、
「貼紙禁止」の貼紙
「なんか面白いこと、ある」ところへ
せっかくだから手をつないで、だ。
推定合計齢135のふたり
たとえ、その昔にここへ来たとしても
今はまた「陽のあたる街の水族館」へは初めてきている。
「ココロ動かす、発見がある」のは、水槽の外
「水族館が好きすぎるマニアな人」でも
「たまに行く人」でも
「毎日でも行けちゃう」わけでもないけれど
「そこは人と人とが、おなじトキメキを分かち合える場」として
ふたりでしかない、ふたりでおとずれた。
「掲載の写真はイメージ」ならば、水槽をのぞけばいい
「これに違反すると処罰され」るならば
「お魚のベストパートナーでありたい」トラックはどうなる
「この店を見ずして、家電は語れない」ぐらいなら
「あなたの暮らしに、ちょうどいい」店に寄って
「もっとおもしろいこと、ある」陽のあたる街の水族館で
ハダカカメガイをいつまでも見ていたい
その透けた、小さな小さな薄紅の心臓をいつまでも。
「2020年、オリンピック‐パラリンピックを日本で」見られないかもしれないけれど
「平成26年1月31日」に「完了予定」の「(仮称)池袋Sプロジェクト」は見届けよう。
そうだ、また陽のあたる街の水族館に来た時は
今日の帰りに食べたあのカレーを食べに行こうよ。

「家族って、やっかいだけど愛おしい。
 これは、あなたの物語です。」


自由詩 陽のあたる街の水族館で Copyright 中川達矢 2013-02-09 00:05:15
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