親父の暇つぶし
梅昆布茶
銀色の矢が空から墜ちて来るそんな夜
僕は系統樹のほとりに佇んで生命の音を聴いていた
風がちいさく闇を巻き込んで通り過ぎていった
ときはすでに多くを語らず寄り添っているような気がした
君に電話したら彼女が出た
君はすでにいなかっただなんてね
またカラオケやりたかったな
ポップスのスタンダードナンバーを年甲斐も無く歌いまくったな〜
僕らはそれを親父の暇つぶしと呼んでいた
それは君のホームページのタイトルでもある
まあいいさいつかこうなるのは僕だって同じ
僕はたぶん最後の仕事となる古本屋を始めるだろう
金魚屋古書店とでも呼んでくれればいいさ
君の気に入りそうな本を数冊はとっておくさ
きみが生まれた頃の週間朝日だってあるんだぜ
君のお母さんも一人遺されてちょっとボケがはいって
でも彼女が一生懸命面倒みてるらしいから安心してくれ
みんなには電話で伝えておいた
また高田馬場の居酒屋でのもうや
またきっといつかね