るるりら

現実は甘くない 
からくてあまい

白鷺が けたたましく鳴いている
もっと 離れるなら 争わなくてもいいものを
特定の岩をめぐって 争っている
 
川沿いを ずっと歩いてきたけれど
ここだけ 鳥たちが集まる
その翼が翻る
ここが淵なのだろう
命が群れて お互いを呼んでいる


土手沿いに歩いていると
けたたましい鳥の声にまじって 
突然 おばちゃんたちの声が聞こえた
車で通りがかったらしい
「まあ 鳥が 綺麗ねぇ」
おばちゃんたちの視線の先を 追うと

 青い鳥が 居た








カワセミが まっすぐに 川を横切った
喰うか喰われるか 
おびただしい生き物の上を


現実は甘くない 
甘くはないが 辛い分だけ
まっすぐに 

青い羽根は翻る 
生き物に底知れぬ恐怖なぞ 無いかのように
カワセミが 
川を渡った





自由詩Copyright るるりら 2013-02-07 17:01:25
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