免許証のみる夢
もっぷ

いつも追いかけている
あなたの幻影
おさげにできない
短い髪と
冬になれば凍傷にすらなる
無防備な手の指
泣きながら追いかけている
わたしの手には数枚のあなたが

なぜ
笑えるの
その我慢の理由は?
かなしみに押しつぶされそうな
日日
のことをポッケたちのどこに隠して

ちいさな思い出の数数は
すべてが皆
ひかり持たない
ちいさな地球の上に転がる
ちいさすぎる
貝殻のごとく

あすはきっと
持っていない車のキーを
握りしめて
あすはきっと
行けやしない陽の昇る
あの海岸沿いを
あすはきっと
泣くことはないと
誓いながら
ドライブしよう

隣にはあなたを
少女らしい服着せて座らせて
隣には愛を
いっぱいに満たして
隣には美味しい
ごはんも満足なほどにして



自由詩 免許証のみる夢 Copyright もっぷ 2013-02-07 15:02:53
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