恥知らず
千波 一也
雨は
嘆きを代弁しない
風は
怒りを
代弁しない
おまえを語れる
他者はない
星は
だれをも照らさない
花は
だれをも誘わない
おまえは
おまえであるしかない
月のうらには
哀しみがあり産声がある
海のそこには
戸惑いがあり残響がある
おまえごときが
推し量れる世ではない
何ができても
何ができなくても
何をのぞもうと
何をあきらめようと
おまえは
おまえとともに往け
価値のわからぬ恥知らずめが
自由詩
恥知らず
Copyright
千波 一也
2013-02-06 21:06:56