遠くへいきたい
千波 一也



軽はずみな言葉ほど
健全なものはないからね

自然な
なりゆきの
その背にわたしは乗るよ



いたわりと偽りは紙一重

無情と無償は紙一重

流され過ぎた挙げ句の空には
風の音だけがいつもある



どこか知らない町へいきたいね
あてもなく己の寂しさを
肯定したいね

ためらいがちな一歩の全てに
優しくなれたら素敵だね



罵ってしまおうか
ここいら辺で限界顔で

絶縁するのも良いかもね
未練にも満たない
お荷物ならば



さよなら、は
あまり好きじゃないから
無言で憂いを振りまきたい

いつまたどこで
逢うとも知れない間柄なら
なおさらのこと



誰か
そろそろ拾って頂戴

遠くへいきたい
ただそれだけなんだから







自由詩 遠くへいきたい Copyright 千波 一也 2013-02-05 19:37:41
notebook Home 戻る