春の女神
ドクダミ五十号




憧れる対象は神格化されて

そぞろ歩きの視点の先が

固く寒さを耐えて

一枚

また一枚と

開くを待つ蕾に


わたくしが男性を持つが故に

女神であるが

人それぞれに化身はあってよい

描き出すそれが

微笑んでいるのは

春と云う希望の表現です


ルーナは狩人の守護者として

天空に強く輝き

強き狩人の足元の

うさぎを観て

次なる獲物である牡牛に

幾らかの同情を覚え

恐ろしいサソリを彼の頭上に置いた


それとは知らぬ春は

優しい心のままに

今日も固くなな

蕾を撫でて廻るのです

いとしいものよと

語りかけながら


自由詩 春の女神 Copyright ドクダミ五十号 2013-02-05 16:56:34
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