お寿司
ドクダミ五十号

元は「さかな」を保存する技だった

「さかな」と「うお」は等号で結べない

本来の「さかな」は

わたくしの馬鹿な脳では

さか・な



分解される

酒と菜であるとする

「うお」が菜とは別であるのは

音から知れるのであるが

広義の酒の友として

「さかな」と呼ばれるに至る


さて

醸す事で

常に酒の友としての

「さかな」をと

現代的科学を知らぬ祖先が

遂に「うお」を

「さかな」にしたのだ


その技が

現代でも残っている

「飯寿司」や

「鮒寿司」だ

「蕪寿司」なる品もある


「寿司」酸・し

すっぱいものと形容される

起源に付いては色々とあるが

「常に食をの願い」が

込められていると思うのです

酒があこがれであった古代

それに「さかな」は

必須だった


日本人の心には

常にハレとケの区別があって

ハレとサケは密接であった


開放を意味するハレの日に

酒食が必要であるのは

今更に云うべきでは無いが

それを知らぬ人の多いので

云う


お寿司と

「御」を付けて呼ぶのは

信仰に近い

我々日本人の

連綿たる歴史の

一つのかたちとしての

「自尊心」なのかもしれない


たかがくいものだと

笑うなら笑うと良い


銭を直接に食えると豪語出来るならば


あいにく手元に「さかな」も「さけ」も無い

さけなくば せつなきことと ことのいと おもいをしるや つまひくゆびよ


自由詩 お寿司 Copyright ドクダミ五十号 2013-02-05 15:06:28
notebook Home