オブラートは溶けやすい
ドクダミ五十号

他者批判と云う毒にも薬にもならないものを

幾重もの儚い言葉で包んでも詮無いと解らず

今日も薄ら暗い厨の隅で包んで喜ぶのだろうか


相対を作り出す意味について

自覚があるのだろうか


如何にも正当に見える虚飾の己を基準として

凝集された悪意は包まれる

虚しさを感じながら成しているのだろうか

問いつつしているのならそれはそれで立派だが


溶け易い「ガワ」に意味など無い

悪意こそが「キモ」なのだと丸出しにするべき

発する棘は常に自己防衛的な鋭さを保つ事に意義がある


潰しに係る労力は振り向けを否定するのだろう

悪意の本質と云うものは常に日陰で膝を抱えている

どの様に包もうと冷たさは解消されないのだ


言葉の暴力とは

其れを発する人の心根を反映している

実に単純で簡単な拾い物の言葉で包まれる

理知的を装って


そう云う人が時折さらけ出す暴力以外の言葉が

どれだけ魅力的であるかを本人は認識しているだろうか


認識して述べるならばそれは陳腐だと言っておきます

包まれざるもの

それが観たい


自由詩 オブラートは溶けやすい Copyright ドクダミ五十号 2013-02-04 01:39:15
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