地吹雪
砂木
海を知らないのに 波のように
風に這われた雪が空中に駆け上がる
道路から 枝から 積もった雪の壁から
風の爪となり 冬の刃となり
波から眼をそらせば とらわれたハンドルが
凍る道に なすすべもなく大破し
冷たい牙の奥 噛み砕かれて吐き出される
それるわけにはいかない 道
カーブで変わる景色
曲がりきったら
アクセル 音
自由詩
地吹雪
Copyright
砂木
2013-02-03 22:06:04