美しくは無い花束は
ドクダミ五十号






気楽なのです

しょせん死は

一つの潰えです

誰も泣かず

誰も泣かさない

手向けはどうぞ

孤独以外に


わたくしは

わたくしに

仮の悲しみと

仮の嘲りと

そして憎しみを込めて

捧げの花束を送るのです


わたくしが消え去る事を

喜ぶひとの代弁として


または

嘲るひとの心への

供え物として


そして

綺麗事の対局は完成される


花束の美しさは

散る様にあるのですが

誰もそれを意に介さない

表面的な自己憐憫と同等だからだ


綺麗事では生きて行けないと

述べる舌先と

根本には隔たりがあって

様を捉えるには障害なのだろうさ


であるので

全くのところ

煩いが無いと云う点で

わたくしは幸いであると云う



死んで他者を喜ばせる

あるいは

何の感慨も与えないのだから



もっと緻密に美しく

花束を描くべきであったが

これがお似合いであろう



わたくしはナルシシズムの

縁から身を乗り出して

断絶の虚無で笑いたい

結局はただの阿呆な欠片として


自由詩 美しくは無い花束は Copyright ドクダミ五十号 2013-02-01 23:30:50
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