仮面の中
番田 


数年ぶりに会った代表は疲れ果てた顔で
良い方向に会社は向かっているのだといっていた
よくわからないが 僕は
そうであってほしいとも思わない


僕も会社を見限った人間として
こうして新しい道を歩み続けているわけだが
正しい道を 自分は 歩き続けているのだと主張したい
あれはそういった気持ちと同じなのだろう


もう あの業界は 終わりだと思うが
彼の話は最後までささいなエピソードのことだった
もう あの業界は 終わりだと言うことに
気づいていたのか いなかったのか



自由詩 仮面の中 Copyright 番田  2013-02-01 02:31:22
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