ノート(Graublau)
木立 悟







霧の村のむこうに
霧の村がある
耳の奥の音のように
白い


小さな花の生えた機械に
水をやりにくる鳥
機械はいつも
眠ったふりをする


いきどまりの線路
明るい冬の日
遠い雷
遠い舟


わたしがわたしに伝え忘れた
わたしのものでないわたしのもの
どうしてあなたが知っているのか
砂と木の香に 問いを忘れた


未だ果たされぬ約束が
曲がり角に横たわり
服になるのを待ちつづけている
すぎるものの無い霧の日に






















自由詩 ノート(Graublau) Copyright 木立 悟 2013-01-25 23:55:06
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