いのち
たもつ

 
 
埋立地から旧市街地へと
続く大通りの歩道
差し込む光に
かつて名前はあった
気の弱い人たちが 
背中だけの会話 
背中だけの時間 
の中でうずくまり、
息継ぎし、
そして動く
なくしたものの重さ、と 
なくしたものの軽さ 
それらは常に等しいのに
ふと少しの風にも 
倒れるものがある 
いのち 
音を立てるものは 
すべて、いのち
 
 


自由詩 いのち Copyright たもつ 2013-01-24 19:18:12
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