冬の記憶
そよ風



曲がり角を曲がらなければよかった。

記憶の波にのまれてしまう。
3.2.1.

元町から中華街の何気ないみちで、
「一生、君だけを好きでいるよ。」と言っていた君。
子供みたいな目をして

そんなのありえないって思ったけど。
ちょっと浮かれた。

墓地を一気に駆け下りて
もう閉まってるお店を全部覗いて歩いたあの日。


もう遠いむかしの事で、とっくにしまった記憶。
こんなに大事にするとは思ってもいなかった記憶。

名前を呼ぶ声も
手の温度も
もう、忘れてしまった。

大切にしまっていたのに
色褪せたて
角がとれて丸い記憶。




自由詩 冬の記憶 Copyright そよ風 2013-01-23 19:57:37
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